top of page
Collector: 収集家
彼女を眺めるたびに、ぼくは珍しい蝶をつかまえるときの気持ちになる。
息を殺して、そうっと近寄るときの感じだ。
たとえばミヤマモンキチョウ。ぼくはいつも彼女のことをそう思った。
別の言葉で言えば《つかまえにくい》とか、《数が少ない》とか、《とても洗練されている》とかいうことだろうか。
とにかくほかの蝶とはちがう。ただのきれいな蝶とも違うのだ。もっとくろうと向きなのだ。
ジョン・ファウルズ 小説『コレクター』より

bottom of page